会長挨拶











 
               鳩貝  太郎
  (国立教育政策研究所名誉所員)
 
 近年,子どもの体験不足が課題となっています。子どもに学校内外で多様な体験の機会を提供していくことは,子どもの豊かな心を育てるとともに学ぶ意欲を高め,生きる力を育むことにつながります。園や小学校(以下では学校とする)での動物飼育の意味は、子どもが動物とのふれあいを通じて、自然科学的な知識を得ると共に、観察眼、思考力、判断力を養い、同時に世話作業を毎日続けることで、行動力、責任感、継続力、工夫・創造力、忍耐力、友達と協力する態度など、さまざまなことを身に付けることにあります。


 しかし各学校では飼育担当教師の想いや努力はあっても,次々にいろいろな教育活動に取り組まねばならないため、飼育担当児童への指導や飼育舎の動物にまでは目が届かない悩みを常に抱えています。さらには,教師の動物や動物飼育に対する知識も不足しているのが現状です。学校での動物飼育は、子どもにただ動物を飼わせるだけでなく、教師のきめ細かで適切な指導とともに、学校・保護者・獣医師(公衆衛生の専門家でもある)など地域の支援・協力が必要です。

 当研究会は、園や小学校等における動物飼育や動物介在教育が子どもの成長に与える影響について考え、保護者や地域獣医師会を交えた飼育支援ネットワークの在り方について検討を行い、園・学校教育における動物飼育の重要性を明確にするために、意見交換や実践研究の交流などの研究会活動を推し進めます。

 これにより、学校の飼育動物を介在した教育が全国の子どもの健全な心の成長を深めまた科学的な視点を養うことを期待しています。