第24回全国研究大会

学校飼育動物への関心を高め理解を深めるために~変わりゆく学校での飼育活動~
2022年9月4日() 12:3016:10 オンライン(Zoom)開催

主催:全国学校飼育動物研究会
後援:文部科学省、東京都教育委員会
   全国小学校生活科・総合的な学習教育研究協議会、日本生活科・総合的学習教育学会、全国小学校理科研究協議会
   全国小学校道徳教育研究会、全国国公立幼稚園
-こども園長会、公益社団法人全国幼児教育研究協会
   公益社団法人日本獣医師会、一般社団法人日本小動物獣医師会、公益社団法人東京都獣医師会

日程:12:30開会行事・12:5013:50口頭発表・14:0015:30シンポジウム・15:4016:00質疑応答・16:00まとめ・閉会

◆口頭発表
1.景谷裕香、他担任3名 武蔵野大学附属幼稚園 「地域と連携しての飼育活動」
2.江口壽信 太宰府市立太宰府西小学校 「ホスティング方式でのモルモットの飼育活動」
3.山本佳子 箕面自由学園小学校 子どもたちの心を耕し 癒しを与える学校飼育動物
4.門畑侑那、西川ひなた、他4名 大阪農芸高等学校資源動物学科 「児童によるウサギの飼育体験活動」  

◆シンポジウム
斎藤博伸 文部科学省初等中等教育局教科調査官
並木美砂子 帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科教授
中島由佳  大手前大学現代社会学部教授
鳩貝太郎 研究会会長※コーディネーター

口頭発表の内容

1.景谷裕香、別府涼子、田端敦子、秋吉梨緒 武蔵野大学付属幼稚園
 『動物飼育で繋がる子どもと家庭と幼稚園』
武蔵野大学附属幼稚園では、獣医師と連携を取りながら、長きにわたり保育活動の中で動物飼育を大切にしてきた。園の動物は各学年で飼育をしており、年長組はにわとり、年中組はうさぎ、年少組はモルモットを子どもたちが世話をしている。モルモットとウサギは週末または長期休暇中に園児の自宅へ貸し出しをしている。それにより園児と動物の関係は更に深まり、保護者またその家族の動物への関心も高まり、動物が子どもと家庭と園のそれぞれを繋げている。動物飼育が広げていく、子どもと家庭と園とのつながりが深まる様子やその素晴らしさを伝えたい。

 2.江口尋信 太宰府市立太宰府西小学校
 『子どもたちの豊かな成長を促す動物飼育の実践』
本校は、令和3年度からホスティング方式でモルモットを飼育している。2年生の児童が、生活科を中心とした学習活動としてモルモットを飼育しているが、継続的な関わりを通して、子どもたちに大きな変化が見られた。具体的には、自分たちの学級の一員として大切にしたり、様々な気付きを表現したりすることができるようになった。さらには、命の大切さについて深く考えることができるようになったことも大きな変化である。今後も、県獣医師会や獣医師の方々と連携し、子どもたちによりよい体験を提供していきたい。

 3.山本佳子 箕面自由学園小学校
 『子どもたちの心を耕し 癒しを与える学校飼育動物』
本校は創立96周年を迎える大阪の北摂地域の私立小学校である。全校生徒は約140名足らずであり子どもたちの関係性も良い。また、うさぎ二羽や鯉やナマズ、金魚にメダカ等生き物を目にする機会は比較的恵まれている。また、隣接する併設の幼稚園にはアヒルやクジャクなども目にする機会がある。とはいえ、高学年になると中学校受験を控え、塾への出席回数が増えるに従いストレスを抱える子どもたちも少なくない。そんな中貴台の提案いただいた「モルモット」飼育は圧倒的な癒しと心を耕すことになった。子どもたちの声を紹介しながら飼育の様子を紹介したい。 

4.門畑侑那、西川ひなた瀧口航平、山本ほのか4名 大阪府立農芸高等学校資源動物科
 『児童によるウサギの飼育体験活動~大阪府立農芸高等学校の取り組み~』
高校2年生及び3年生の課題研究活動として、小学校や支援学校を対象にウサギの飼育体験活動を大阪府堺市で展開しています。活動先の児童・生徒に動物の命の大切さや思いやりの心を伝えることを目的としています。管理のレクチャーや事後学習など、一つひとつの活動を丁寧に実施することを大切に、活動先の教員と連携し、ウサギの継続飼育がもたらす教育効果を検証しようと取り組んでいます。

シンポジストの説明項目

1.斎藤博伸 文部科学省初等中等教育局教科調査官
  『生活科における飼育活動』
①生活科の内容(学習指導要領解説)②学校における動物飼育について③評価の進め方④単元の評価基準から具体的な児童の姿と評価方法を設定する⑤観点ごとの評価基準の作成のポイント⑥子供の作品・発言・行動の様子⑥飼育活動を通して資質揚力を育成する

2.並木美砂子 帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科教授
 『持続可能な動物飼育と動物介在教育のあり方』
①介在教育の目的、方法の推奨例②研究者の視点からの問題提起例③人との関係性(歴史的な背景)④社会行動や個体維持行動、逃避的行動を知る⑤ケアの例⑥トレーニングの進め方⑦楽しい飼育とは⑧世話を科学的にしていくために日誌の重要性

3.中島由佳  大手前大学現代社会学部教授
 『ホスティング方式での学校動物飼育-仕組みとメリット・問題点-』
ホスティング飼育とは②飼育における困難さ(屋外飼育)③教職員だけではしんどい④ホスティング飼育のメリットと問題点⑤鳥インフル後の鳥・哺乳類の比率は低下⑥現在買っている動物が居なくなったら継続するか?⑦学校動物飼育は必要と思っている学校は多い⑧学校動物飼育は心理発達に効果⑨学校動物飼育をどう繋いでいこう?