第26回全国学校飼育動物研究大会のチラシ

第26回全国学校飼育動物研究大会

期日:2024年8月25日(日) 12:30~16:30
会場:ビジョンセンター西新宿 2階201室 
定員:80名(先着順)
大会テーマ:動物福祉に視点を当てた学校での動物飼育
開催趣旨
 我が国の小学校や幼稚園、保育園、認定こども園など(以下、学校という)では、ウサギやニワトリなどの小動物を飼育することが一般的に行われてきた。子どもたちが動物の飼育体験を継続的に行うことは生命の尊さを実感でき、思いやりの心を育むことができる。1973 年に制定された動物愛護管理法は改正が繰り返され、制度だけではなく市民の動物愛護の意識は変容してきた。それと共に学校での動物飼育に対する考え方や飼育をめぐる環境なども大きく変化してきている。 今回の研究大会では動物福祉の視点に焦点を当てて、これからの学校における持続可能な動物飼育と動物介在教育の在り方について意見交換し、これから求められる学校における動物飼育に関する提案ができるような交流の機会にしたい。

シンポジスト
 齋藤博伸(文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官)
 中川清志(東京都獣医師会副会長)
 三品佳子(コーディネーター・小平市立第十四小学校校長)
 鳩貝太郎(本会会長)

口頭発表
『学校飼育動物が児童に与える影響』
 山本祐子(福井市立宝永小学校)
 令和3年度に初めて学校飼育動物に携わり、その年の1月にモルモットが亡くなるという経験をした。そのクラスの児童は温かく、気持ちを伝えあって互いに相手を思いやることができた。翌年度は1年生の担任になり、2年間に渡ってモルモットを飼育し、学級の児童一人一人の変容や、学級全体の変化を観察できた。コミュニケーションの取り方が分からない児童や、ちょっと乱暴な児童の変容が目に見え、学級全体として、常に温かい雰囲気につつまれていた。これらを実践例として報告する。

 『生活単元学習での動物飼育の実践-動物福祉の視点からの飼育環境の改善を通して-』
 堀直志、本間美知子、菊谷雅貴、松岡息吹(小平市立小平第九小学校)
 公立小学校の知的固定特別支援学級で、動物福祉に重点を置いた動物飼育の学習を行なった。日々の動物の様子を観察しながら飼育環境を改善・保持していくために、生活単元学習として話し合い活動や調べ学習を通し、動物飼育が児童の変容にどう影響するのかをみてきた。児童の発達の段階に合わせて、学年ごとに分かれ、4学級で行なった実践の成果と課題について発表する。

『私たちの目指す終生飼養』
 乾貴人、星川孝平、岡本雅乃、南部のどか(奈良県立山辺高校)
 武井慶子(奈良県立高等養護学校)
 奈良県立山辺高校自立支援農業科に学び直しを希望し、入学した4名は来年3月に卒業を迎えます。3年間、毎日管理してきた小動物舎のウサギやモルモットたちも平均寿命を迎える中、そろそろ引退を考えなければならなくなりました。小動物の終生飼養と自分たちの自立について考えていく中で、大きな出逢いがあり、自分たちの進路が明確になり、それに伴い小動物たちを譲渡していただき、終生飼養を目指すことが可能となりました。そして、私たちが目指すことは、3年後学校飼育動物の休日のお世話を事業にしていくことです。私たちが学校飼育動物から生きる力をもらい、自立を目指せたように、学校に飼育動物が居るからこそ学べることがあります。私たちがお手伝いすることで、学校で飼育動物を飼育する機会が子どもたちにあるように頑張って行きたいと考えます。その経過と未来の計画を発表させていただきたいと思います。

対象:教育関係者、獣医学関係者、動物園関係者、大学・大学院生、動物飼育に関心のある方 他
会場参加費:1,000円(学生は500円)※当日受付にて徴収、資料配付。
オンライン配信・ビデオ配信:視聴は無料。参加申込が必要。
参加申込:
7月1日~8月18日の期間に本研究会Webサイト「申込フォーム」より

全国研究大会の「第23回」「第24回」「第25回」の概要

メニュー「全国研究大会」⇒「第23回」「第24回」「第25回」をご覧下さい。
※詳しい内容は研究会誌に掲載されております。
 「全国大会・第23回」は「会誌・第25号」、「全国大会・第24回」は「会誌・第26号」です。
 「全国大会・第25回」を報告している「会誌・第27号」は間もなく発行されます。
 研究会員には発行され次第郵送されます。
 バックナンバーについては事務局へお問い合わせください。

2021第 23 回   「飼ってよかった」と実感する動物飼育
◆講演
 桑原 保光 本会副会長・桑原動物病院どうぶつのウェルネスセンター・群馬県獣医師会会長
 「学校における望ましい動物飼育のあり方~新しい動物飼育活動の考え方と飼育基準について~」
◆口頭発表
1.神山 繁樹 前西東京市立保谷第二小学校校長「学校・家庭・地域が協同・協働する学校飼育活動」
2.林 禎久 中野区立白桜小学校校長「動物の飼育・ふれあいを通して心を豊かにする取組」
3.中島 由佳 大手前大学教授「第1回緊急事態宣言に伴う小学校休業と学校動物飼育への影響」

2022第24回 「学校校飼育動物への関心を高め  理解を深めるために ~変わりゆく学校での飼育活動~」
◆シンポジウム

 斎藤博伸 文部科学省初等中等教育局教科調査官
 並木美砂子 帝京科学大学生命環境学部アニマルサイエンス学科教授
 中島由佳 大手前大学現代社会学部教授
 鳩貝太郎 本会会長・コーディネーター 国立教育政策研究所名誉所員・東京都立大学客員教授
口頭発表
1.景谷裕香、他担任3名 武蔵野大学附属幼稚園「地域と連携しての飼育活動」
2.江口壽信 太宰府市立太宰府西小学校「ホスティング方式でのモルモットの飼育活動」
3.山本佳子 箕面自由学園小学校「子どもたちの心を耕し 癒しを与える学校飼育動物
4.門畑侑那、西川ひなた、他4名 大阪農芸高等学校資源動物学科「児童によるウサギの飼育体験活動」
◆講評
  庭野正和 本会副会長 武蔵野大学客員教授・江戸川区教育委員

2023第25回 「動物愛護法から学ぶ命を預かる動物飼育」
◆シンポジウム
 佐伯 潤 日本獣医師会動物福祉・愛護職域担当理事
 野村 環 環境省自然環境局総務課動物愛護管理室長
 山本 悟 文部科学省初等中等教育局教育課程課学校教育官
 田村 学 國學院大學人間開発学部初等教育学科教授
 鳩貝太郎 本会会長・コーディネーター 国立教育政策研究所名誉所員・東京都立大学客員教授

◆口頭発表
1.平林 翼、關口寿也 多摩市立連光寺小学校『小学校における動物飼育が児童に及ぼす効果について~生活科での授業実践から~』
2.星川孝平、岡本雅乃、乾 貴人、南部のどか 奈良県立山辺高等学校  武井慶子 奈良県立高等養護学校『僕たちが小動物を飼育管理するということ〜小動物のために取り組む毎日の飼育管理が自分の成長に繋がるとき〜』
3.髙松美香子 公益財団法人東京動物園協会 教育普及センター『東京都立動物園でのモルモット介在プログラムの今とこれから』